急患について

開業医を仕事をしていると必ずあるのが急患です。
歯が痛い。銀歯が取れた。術後の出血が止まらない。などなどです。

私の考えとして急患を診るのはやぶさかではありません。むしろ開業医のつとめであるとさえ思っています。
ただ、真夜中の寝入りばな、休日の旅行出発前などに急患の連絡が入るとブルーです。
医者の端くれとしては急患を診るのは当然なのですが、患者様の方も当然という具合にこられるのも悲しいものがあります。
特に平身低頭して来てくれとは思いませんが、それなりに遠慮が見えるとこちらも逆にやる気になります。

本日2人の急患がお見えになりました。
一人は大変すまなさそうに、おいでになり応急処置を受けられ、帰っていかれましたが、最後まで私を気遣ってくださいました。
もう一人の方は仮の詰め物がダツリしたのですが、電話でいきなり「金返せ」「院長をだせ」とまくし立てられました。
こうなると私もスイッチオンでやり返してしまいましたが、人間の未熟さを実感し凹みました。
このイライラした患者さんの気持ちを考えれば、少しは分からないではないのですが、医者といっても聖人君子ではなく、むしろ人として未熟者が多いのです。

医療というものはただものを売るというものではなく患者様と医院との共同作業により健康というものが結実するものと私は思います。
ただ歯科という特性上どうも入れ歯や詰め物を売るという考えに陥りやすいようになりますが、やはり患者様との共同作業ということには変わりありません。

そのことを患者様にも理解いただき我々も患者様の立場をより理解するように努めればもっといい医療が提供できるのだと実感した今日でした。