ドタバタ!シルバーウイーク

今年のシルバーウィークは、まさに波乱万丈、笑いあり涙あり(主に風圧と反則金による涙)の濃厚な数日間となりました。

まずは連休初日、土曜の診療を終えたその足で、義弟のマサ君が友人たちを引き連れて参戦する恒例の「INAKAライド」の前夜祭へ。いつもは行きつけの三好家ですが、今回は高校生の陸上大会と丸被りし、初めて泊まるビジホ「ハトヤ」、そして初めての居酒屋「隼人」での宴となりました。どんな場所かと興味津々で暖簾をくぐると、店内は熱気ムンムン。
何より驚かされたのは、平均年齢70歳超えの先輩チャリダーたちの鋼の肝臓です。明日130キロも自転車を漕ぐというのに、焼酎のボトルを平然と2本空けていく九州男児の底力たるや。私も負けじとビールを2杯流し込み、広島から初参加のお隣さんへINAKAライドの素晴らしさを熱く語りつつ、気持ちよく酔いしれました。

明けて日曜日、朝5時半起床。今年は5年ぶりに空港滑走路を走れるということで、私も第1エイドまでは一緒にペダルを回すことに。400台の自転車が一斉に滑走路を駆け抜ける光景は、控えめに言って圧巻の一言でした。

しかし、私の出番はここまで。

ここからはバイクに乗り換え、一路下関へ向かいます。というのも、本来は私一人で還暦記念ツーリングの再現とばかりにフェリーで神戸に向かう予定だったのですが、金曜になって高校一年生の三男が「俺も行きたい」と言い出したのです。妻からは「コケるならあなた一人だけにして」という、長年連れ添った夫婦ならではの心温まるエール(?)を背に受け、急遽シングルからデラックス和洋室へ部屋をアップグレードしての出港となりました。

下関での所用を済ませ、新しくなった火の山公園へ足を運ぶと、これがまた洗練されていて驚き。

若かりし頃の記憶とは大違いで、「これなら神戸の六甲からの夜景にも負けないぞ」と田舎者丸出しで感動してしまいました。早めに門司港に着くと、すでにバイクが5台。ライダー衆と「六甲山を走るのが楽しみで」と談笑しつつ、乗船後は混み合う前に一番風呂の露天風呂をゲット。夕食はコンビニ飯でしたが、豪華な部屋で食う弁当もまた一興です。三男は一応中間テストの勉強道具を持参し、私がうとうとしている隙に5秒ほど教科書を開いた形跡がありましたが、益田から門司までのタンデム走行の疲れからか、二人とも泥のように眠りに落ちました。

月曜の朝、明石海峡大橋を眺めながら定刻通り7時10分に神戸上陸。ホテルのチェックインには早すぎるので、久々の朝マックを胃に流し込み、いざ六甲山へ。前日の長門ばりの強風が吹き荒れ、後ろの三男はガクブル状態でしたが、山頂から見下ろす神戸の絶景には感動していた様子。異人館通りもバイクで駆け抜けましたが、観光客の波を縫って走るのは少し申し訳ない気分でした。

10時にホテルへ入り、バイクウェアから人間らしい服に着替えて元町・三宮をブラブラ。12時には妻、長女、次男も合流し、家族6人で少し奮発した豪華なランチタイムです。


その後は、無事に会計士見習いとして社会に出た長男へ、就職祝いの腕時計を探す旅へ。親としてはドカンといい時計を買ってやりたい気持ちもありましたが、いきなり高級すぎるのも身の丈に合わないだろうと、二人でウンウン悩んで程よい一本に着地しました。途中、次男や三男も合流してワイワイやっている姿は頼もしく、お店のお姉さんから「素敵なご兄弟ですね」と声をかけられ、60歳の父親としては嬉し恥ずかしの複雑な心境でした。

夜は、妻と長女は女子会ディナー、次男は彼女の待つ大阪へ消えていったため、男三人(私、長男、三男)で地下街のそばめし屋へ。神戸のB級グルメ、侮りがたし。最高に美味でした。

火曜日は、せっかくなので長男を後ろに乗せて初の奈良ツーリングへ。

東大寺と南大門のスケールはやはり圧巻で、歳を重ねるほどにこういう歴史的建造物の渋さが骨身に染みます。昼食は近くのうどん屋で名物「大仏うどん」をすすりつつ、相席になった埼玉からのご夫婦と大盛り上がり。長男もすっかりおしゃべりになり、激務の合間に少しは息抜きができているようで安心しました。 勢いで法隆寺まで足を延ばしてみましたが、想像以上にのどかな場所にあり、「なんだか出雲大社と同じか、もう少しこぢんまりした感じだな」というのが正直な感想。帰りの湾岸道路はまたしても暴風で、後ろの長男は必死のパッチで私にしがみついていました。

夜は長女リクエストの少し高級なお寿司へ。

とはいえ、基本「バカ舌」を自認する私。超高級店で味が分からずポカンとするリスクを避け、そこそこのお値段の回らないお寿司屋さんをチョイスしました。それでも家族は大喜びで、長女の「また行きたい!」の一言で私の財布の紐も緩みます。もちろん、寿司だけでは育ち盛りの男たちの胃袋は満たされないため、食後は長男・三男を引き連れて三宮のラーメン屋ではしご酒ならぬ「はしご麺」をキメました。

水曜日。妻と三男は一足先に帰路につき、木曜も休診にしていた私は、ここから完全なる「おっさんの一人旅」モードへ突入。明石海峡大橋を渡り、いざ四国・徳島へ。念願の徳島ラーメンをリサーチして突撃したものの、まさかの「生卵が乗っていない系」の美味しいラーメンに遭遇。

いや、美味しかったんですが、あのベタなビジュアルを求めていたので少し不完全燃焼です。次回リベンジを誓います。

食後は徳島市内の眉山へヒルクライム。どこが山頂かイマイチ分からないまま「まあ登ったからヨシ!」と雑に満足し、今回の裏本命である「落合峠」へ。

徳島の峠で最高標高を誇り、かの有名な酷道(死の道)439号線を通る最凶ルートです。命からがら辿り着いた峠で登山者の方と「島根から来たんですよ」と談笑できたのは、旅の醍醐味でした。 夜は丸亀の少し年季の入ったアパホテルにチェックインし、近くの居酒屋で名物「骨付鳥」に食らいつきました。正解の味は分かりませんが、とりあえず「骨付鳥を食った」という事実だけで大満足し、爆睡。

そして最終日の木曜日。朝5時スタートで瀬戸大橋を渡り、早朝でまだ車が入れる時間帯の倉敷美観地区にバイクを停めてドヤ顔で記念撮影。完璧な旅の締めくくり……になるはずでした。 国道を通って広島の三次、そして益田へ抜ける快走路。道は最高に綺麗でした。ええ、綺麗すぎてついつい気分良くスロットルを開けてしまったのです。 結果、岡山県警への高額なお布施(反則金)を納める儀式が発生。私の心はポッキリと折れ、すっかり意気消沈して大人しく帰路につきました。

最後にケチはつきましたが、子供たちの成長を感じ、家族の笑顔を見ることができた、ドタバタで最高に濃厚なシルバーウィークでした。さて、明日からまたお布施代を稼ぐために、馬車馬のように働きます!